高鍋大師、荘厳なる世界~八十八箇所霊場~
高鍋大師は東都原台地の一角にある。
岩岡保吉氏晩年の作であるユニークな石造群のみ注目を集めがちであるが、その足元には明るくにぎやかな世界とは別の、「僧侶、岩岡弘覚」としての精神世界が広がっている。
そもそも、高鍋大師は岩岡保吉氏が持田古墳群の荒れように心痛め、その霊を鎮める為に開いたもの。
真言宗の僧である岩岡氏は大分から石工を呼び、自費で八十八箇所霊場を造った。1931(昭和6)年のことである。
↑高鍋八十八箇所霊場「1番 リュウセンジ」から。反対側には87番、88番が並んでいる。山の中腹を一巡することで八十八箇所霊場を巡ることができることになる。
仏像の造形は几帳面であり、繊細。後の豪胆かつ奇抜な作風はまだ見られない。絵画で言えば、キュービズムに目覚める前の若きピカソの作品のような……とは言いすぎか。
木々や草花に囲まれ、薄暗い小道に整然と並ぶその姿には、静寂もあいまって静かな威厳を感じる。
宮崎一の奇寺、「高鍋大師」。
訪れた際には、陽に照らされた奇抜な表の顔に隠されたもうひとつの顔を覗き見てみて欲しい。
そこにはスピリチュアルな癒しの空間が広がっているはず……たぶん。
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